恒温恒湿室のランニングコスト
恒温恒湿室の制御システムで露点飽和散水システムが、精密空調の一般的な均衡直膨システム(独立温度湿度制御システム)と比べ、どの程度省エネで経済性に優れているか、具体的な事例を上げて検証してみました。
参考例として恒温恒湿室の5坪型(16.2m2 W4,500×D3,600×H2,500)で23℃±1℃・50%±2%の標準状態の発熱2kW・人員2名・局所排気なしの設計条件で試算してみました。
※機器選定は弊社標準仕様に基づいており、設計条件・使用状況で異なります。
システムによるコスト比較表
品名 | 露点飽和散水 システム |
均衡直膨 システム |
差 (直膨-散水) |
備考 | |
設備 容量 |
冷凍機 | 3Kw | 3Kw | 同 | 同能力 |
---|---|---|---|---|---|
ヒーター | 9Kw | 9Kw | 同 | 同能力 | |
ファン | 0.4Kw | 0.4Kw | 同 | 同能力 | |
加湿器 | なし | 8Kw | 8Kw | 散水はいらない | |
循環 ポンプ |
0.25Kw | なし | -0.25Kw | 直膨はいらない | |
合計 | 12.65Kw | 20.4Kw | 7.75Kw | 設備容量比0.62 | |
消費 電力 |
冷凍機 | 2.1Kw | 3.0KW | 0.9Kw | 散水の稼働率0.7 |
ヒーター | 5.4Kw | 6.3Kw | 0.9Kw | 散水稼働率0.6 直膨稼働率0.7 |
|
ファン | 0.4Kw | 0.4Kw | 同 | 稼働率100% | |
加湿器 | 0 | 5.6Kw | 5.6Kw | 稼働率0.7 | |
循環 ポンプ |
0.25Kw | 0 | -0.25Kw | 稼働率100% | |
合計 | 8.15Kw | 15.3Kw | 7.15Kw | 散水平均稼働率 0.64 直膨平均稼働率 0.75 |
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ランニング コスト |
通常営業 時間稼動 |
271,000円 (*注1) |
509,000円 (*注2) |
238,000円 | 47%減 |
年間連続 稼動 |
12.65Kw | 20.4Kw | 7.75Kw | 設備容量比0.62 |
注
【通常営業時間稼動の場合】
*注1:8.15kw/H×9H/日×22日/月×12月/年×14円/kw=271,000円/年
*注2:15.3kw/H×9H/日×22日/月×12月/年×14円/kw=509,000円/年
【全日稼動の場合】
*注3:8.15kw/H×24H/日×30日/月×12月/年×14円/kw=986,000円/年
*注4:15.3kw/H×24H/日×30日/月×12月/年×14円/kw=1,850,000円/年
電気料金を14円/KWで計算しました。
露点飽和散水システムのメリットまとめ
- 自然の物性原理で加湿器が不要
- 冷凍機が二位置制御で運転コストが低い
- 精密空調で再熱ヒーターの消費エネルギーを低減
設計条件・設置条件にもよりますが、イニシャルコストも約2割安く、ランニグコストに至っては40~50%も安くなり、年間連続稼動なら数年で元が取れることになります。